製造業注目のキーワード「インダストリー4.0」とは? IoTがもたらすメリット。

2018.09.21

近年、第4次産業革命とも云われる『情報通信技術と製造技術の融合』が急速に進んでいます。

ITやIoT製品の発展により、工場では機器がインターネットに接続されて制御・管理される『スマートファクトリー化』が進んでいるように、製造業においてはこの産業革命は重要な意味を持っているといえるでしょう。
こうした産業のデジタル化を推進する「インダストリー4.0(Industrie4.0)」のコンセプトは、ドイツに端を発し世界中に広がっていますが、具体的にどのような内容なのでしょうか。

そこで、今回はそんな「インダストリー4.0(Industrie4.0)」についてご紹介していきます。

「インダストリー4.0(Industrie4.0)」とは?

インダストリー4.0(Industrie4.0)とは、前述の通り第4次産業革命ともいわれる「製造業のデジタル化」を推進する政策的コンセプトのことです。

2011年にドイツで提唱され、近年AIやIoT等の技術が発展してきたことで世界各地へコンセプトが広まりました。
アメリカでは「インダストリアル・インターネット」、中国では「中国製造2025」などと様相を変え唱えられており、日本では「Connected Industries」という呼び名が2017年に経済省から公式に発表されました。

その内容は、製造業のデジタル化=『情報通信技術と製造技術の融合』への対応であり、近年急速に発達し増加したスマートファクトリーの推進などが主たる例です。

■設備の稼働状況をリアルタイムに把握
製造業における機械・設備がセンサーを用いて稼動状況などをリアルタイムに収集したり、倉庫に保管される資材や生産ラインへ送られる物資にICタグが付与されて一元管理されるようになります。

■作業工程の詳細なシュミレーションを構築し効率の良い業務フローを導き出す
また、製造工程におけるあらゆるデータが、機器に備え付けられたセンサーなどを通じて余すことなく全て収集されることで、コンピューター上で作業工程の詳細なシュミレーションを構築することができるようになります。このシュミレーションを何度も繰り返すことで作業効率やコスト面においてもっとも効率の良い業務フローを導き出すことが可能となり、業務効率の改善や製造コストの最小化が図れるようになります。

こうした、コンピューター上の仮想世界(サイバー空間)と現実世界(フィジカル空間)の間で連携が実現される状態を、Cyber Physical Systems(=CPS)といい、インダストリー4.0(Industrie4.0)の目的は、製造プロセスのデジタル化による大幅な工数・コストの削減と、製造業の競争力強化であるといえます。

インダストリー4.0(Industrie4.0)の歴史

前述の通り、インダストリー4.0(Industrie4.0)は2011年にドイツにて提唱されました。2005年にドイツの教育研究省が「ハイテク戦略2020」と呼ばれる政策的な活動計画を示した文書を発表し、その中で生産プロセスをデジタル化する重要性が指摘されたことを端きりに、製造業のデジタル化が産業政策として注目され始め、2011年の国際産業見本市「ハノーバメッセ」にて始めて提唱されたことでインダストリー4.0(Industrie4.0)は世界各地へ広まりました。

特に、2014年のハノーバメッセではインダストリー4.0(Industrie4.0)が大々的に取り上げられ、この頃から日本でもインダストリー4.0(Industrie4.0)が注目を集めるようになったといえます。

2013年には、機械工業やICT、電子工業などの各種関連する業界団体が「インダストリー4.0プラットフォーム」を立ち上げ、2035年までの計画・ロードマップが作成されています。

インダストリー4.0(Industrie4.0)が製造業界にもたらすメリットは?

製造業が競争力で勝るためには、新規性があり、且つ顧客のニーズに合わせた高品質なモノを安く生産することが重要です。しかし、現在の工場は生産ラインにおける各種の機器に対し、それぞれ別個に制御機器・管理システムが存在しているといった現状があり、これでは機器の故障や資材の不足など人の手で管理しなくてはなりません。

また、近年は顧客ニーズが多様化しておりそれぞれの細かなニーズに合致した製品を1つひとつ作ること=「マス・カスタマイゼーション」(多品種少量生産、または個別注文生産)は、コスト面で難しいという問題があります。
こうした現状に対応することができるのが『インダストリー4.0(Industrie4.0)』です。

具体的には、製造業の工場における機器を全てIoTによってインターネットに接続し、機器の制御や稼動状況の可視化及び管理などを一元的に行うことを実現した「スマートファクトリー」では、例えば機械の稼動状況をリアルタイムに取得・記録することで、どの機械が故障したか瞬時に判別可能となったり、機械の故障や不具合に繋がる小さな『異変』に前もっていち早く気がつくことができます。

従来は機器が故障すると故障した機械を探し出し、修理・代替品への交換等の対応を終えるまで生産ラインをストップしなくてはなりませんでしたが、スマートファクトリーでは機器の些細な異変にも気がつきすばやい対応を可能にするため、この無駄を削減することが期待でき、生産性の向上が図れるのです。

また、Cyber Physical Systemsによってサイバー空間でのシュミレーションを基に導き出された生産プロセスの最適化により、低いコストで細かな個別需要に対応することも可能となります。

現在、IoTの発展により様々な工場で「スマートファクトリー化」が進められています。今後、こうした動きを背景に、製造業において情報通信技術と製造技術の融合が進められ、生産性の向上や製造コストの削減などといったメリットを得られる仕組みがますます構築されていくのではないかと期待されています。

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