増える自然災害!災害被害を最小限に抑えるIoT活用

2018.10.29

近年の自然災害の発生数は増加傾向にあります。災害対策・対応についてもより迅速で且つ効率的なものが求められる現在、革新的な発展を続けているIoTテクノロジーも、災害現場の様々な場面で導入され活躍しています。

そこで今回は、IoTが災害の現場で活躍している1つの事例として、災害被害を最小限に抑えるIoTシステムについてご紹介します。

災害状況の映像を、複数現場から収集・発信するIoT

自然災害が発生した際、その被害を最小限に抑えるためにも、まずは災害現場の状況把握がなにより重要です。

災害の対策本部やニュースを配信するテレビ局など、離れた拠点から災害現場の状況を正確に把握するためには、情報伝達手段の1つとして映像を用いることは非常に有効的といえます。
迅速な情報収集が求められる災害時には、災害現場で撮影された映像を素早く収集できるシステムの構築が欠かせません。

また、自然災害は多くの場合、実際にそれが起きるまでどこで発生するのかを知ることはできず、また広範囲に渡って災害が発生した場合各々の地域によって状況と必要な対応が異なってくるため、1箇所のみではなく複数の現場から同時に情報を収集する必要がでてきます。
当然、収集された情報が必要な拠点まで素早く発信されることも重要です。

つまり、災害現場の状況映像を離れた拠点で活用するためには、撮影された映像を「複数の現場から素早く収集・発信するシステム」を構築することが求められるのです。

IoTを活用した映像配信システムを構築すれば、これを可能にできます。
災害現場で撮影された映像を衛星回線を通じて離れた拠点へ送り、リアルタイムでモニタリングを行ったり、或いは映像をストレージへストックして後から視聴したり配信することもできます。
これにより、災害状況の迅速な把握から対策立案、或いは災害現場の映像の放送・配信などを行うことが可能です。

これを実現する、IoTシステムの構築事例

このIoTを活用した映像配信システムは、以下のような機器・設備と手順よって構築されています。


①現場から映像を発信する
まず、カメラで撮影された現場の映像を、災害時に出動するヘリコプターや中継車などに搭載したエンコーダでエンコード(圧縮・変換)し、同じく搭載されたアンテナを通じて衛星へ送信します。


②衛星回線から受信した映像を受信する
受信拠点に設置されたアンテナで映像データを受信、受信したデータを衛星チューナーを介してエンコーダへと入力します。


③受信した映像をIP化し、サーバやSTBへマルチキャスト伝送する
エンコーダに入力されたデータは、エンコーダでIP化(※1)されます。IP化されることで、受信拠点内の配信制御サーバ、管理サーバ、データをストックしておくストレージサーバやVOD配信用のサーバなどの各種サーバでデータを扱えるようになります。
また、同様にSTB(※2)にも適した形式となるため、STBでも利用できるようになります。
IP化されたデータを、各種サーバやSTBへマルチキャスト(1つのデータを、複数の機器へ同時に送信すること)で伝送します。

※1 IP化・・・IP(=インターネット・プロトコル)と呼ばれる、インターネット上での通信方法を定めた規約に適した形式へ変換すること。

※2 STB・・・セット・トップ・ボックスの略。放送信号をTVモニターやサイネージなどの機器で表示できる信号に変換・制御する機器。他にも、STB自体がVODの配信やIoT製品の情報を一元的に制御する機能を持つものなどがあり、用途によって様々な機能を持つものが存在する。


④拠点内でモニタリング、またはVOD視聴
ここまでの過程によって、映像を様々な方法で活用することが可能になります。
例えば、STBにデータが伝送されたことで拠点内の複数のテレビモニターに現場で撮影された災害状況の映像をリアルタイムで表示することが可能です。
また、ストレージサーバへデータが伝送されたことで、映像がVOD視聴用データとして保存され、最大24時間前まで遡り視聴することも可能になりました。

他にも、配信制御サーバや管理サーバを使用してSTBの状態を監視したり、拠点内で視聴されているチャンネルを表示したり、或いは遠隔操作で特定の位置にあるモニターの映像チャンネルを切り替えるなどの操作も可能です。
これを活用すれば、例えば別の受信拠点と同じ映像チャンネルを視聴することも、拠点ごとに別の映像チャンネルを視聴することもできるため、複数の現場からまとめて収集した映像データから、必要な場所に必要な情報だけを届けるようなことも実現できます。

「IoT×センサー」で災害情報を検知する

近年の地震や台風、集中豪雨など増加している自然災害にともなって、地滑り・土砂崩れが発生する危険性も高まっています。

従来は、山の斜面に2本の杭を刺して間に渡したワイヤの伸縮を検知して地滑りの発生を検知していました。
しかし、この方法では工事費用などで数百万円以上の費用が必要なため限られた場所にしか設置することができず、広範囲に設置することが難しいのが課題でした。

そこで、重力センサーを搭載しIoT化された杭を用いる新たな方法が注目されています。

この方法では、重力センサーと通信機能を備えた杭を山の複数の箇所に設置し、地滑りがあった際の杭の移動情報を離れた場所にあるIoTゲートウェイへ収集、そこからクラウド・ネットワークを通じて自治体へ予兆情報を送信することが可能です。

特徴としては、杭は比較的安価で大量に設置することができるよう開発が進められており、従来の方法では課題だった幅広い範囲に設置することが可能になります。これにより、多くのセンサーから収集した情報を一元的に収集してAIなどを用いて分析し、小さな異常も見逃さないよう現場を監視することができるようになります。

事例からわかる、IoTの活用方法

以上の事例から、IoTを活用した映像配信システムで複数の離れた場所の映像をリアルタイムに監視したり、センサーとIoTゲートウェイを活用して災害が起こる予兆を検知したりと、IoTは災害の被害を最小限に抑えることに役立っているとわかります。

今回は、IoTを活用して現場状況を正確に・いち早く収集して迅速対応が可能になる事例を紹介しましたが、こうした技術は災害対策以外のシーンでも活用が期待されてます。

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